円町駅別館 YenTown Station annex2008年4月8日〜10日:鹿児島への旅

寝台特急「はやぶさ・富士」が2009年春に廃止されるという情報が一部マスコミより発信されており(その後正式に2009年3月13日限りで廃止された)、乗車できる機会もあとわずかとなってしまった。
昨年関門海峡行きで「富士」に乗車したので、今回は「はやぶさ」に乗車して熊本からは特急「リレーつばめ」→九州新幹線「つばめ」で鹿児島まで行くこととした。

8日(火曜日)
当日は強風・大雨で、上りの「はやぶさ・富士」も昼の時点でまだ東京駅についていないなどの未確認情報があったが、JR東日本の公式サイトで運休・遅延の情報がなかったため職場から東京駅へ直行。
到着した東京駅ではこのような表示だったので夕飯と翌日の朝飯、飲み物などを購入して9・10番線ホームへ行きしばらく待っていたが、「寝台特急はやぶさ・富士号は20時頃発車見込み」との構内アナウンスがあったため地下の待合スペースで本を読みながら入線を待つこととした。
19時45分頃に再び9・10番線ホームへ行って待つと、19時54分にようやく10番線に「はやぶさ・富士」が入線。
東京駅を発車したのは定刻から2時間17分遅れの20時20分だった。
夜行快速「ムーンライトながら」は静岡・浜松・豊橋での長時間停車があり、それまでで遅延していてもそれらの駅での停車時間を削ることで回復できる。
しかし、「はやぶさ・富士」にはそのような余裕はほとんどなく、東日本管内では数分回復したものの、東海管内に入ると遅れは少しずつ拡大していった。
以下に手元の時計を基にした定刻と実際の到着時刻とのギャップを表にて記す。
なお、定刻通りなら滋賀県(前回「下関・門司への旅」で下関まで「はやぶさ・富士」に乗車したときは河瀬→稲枝間)で日付を跨ぐ(8日→9日)はずなのだが、今回は静岡県の豊田町天竜川間での日付跨ぎとなった。
駅名 到着時刻 備考
定刻 実際 遅れ 遅れの単位は分
東 京 1721 1954 +153 到着時刻欄の数字は入線時刻
横 浜 1827 2043 +136
熱 海 1933 2154 +131
沼 津 1952 2225 +153
富 士 2008 2240 +152
静 岡 2035 2308 +153
浜 松 2128 005 +157
豊 橋 2155 034 +159
名古屋 2245 123 +158
岐 阜 2308 147 +159
米 原 ---- 228 ---- 運転停車
京 都 036 315 +159
大 阪 106 346 +160
姫 路 --- 451 ---- 運転停車
岡 山 --- 553 ---- 運転停車
広 島 521 806 +165
岩 国 557 852 +175
柳 井 623 925 +182
下 松 645 950 +185
徳 山 653 959 +186
防 府 717 1025 +188
新山口 733 1041 +188
宇 部 755 1104 +189
下 関 832 1142 +190 機関車付け替え
門 司 846 1156 +190 大分行き「富士」を切り離し
小 倉 905 1216 +191
折 尾 --- 1245 ---- 運転停車/特急通過待ち
博 多 1010 1336 +208 博多で運転打ち切り
鳥 栖 1036 ---- ----
久留米 1044 ---- ----
大牟田 1109 ---- ----
熊 本 1149 ---- ----

9日(水曜日)
日付が変わっても遅れは拡大していき、京都大阪ではいつもなら客扱いしない3時台の到着、姫路岡山では逆に客扱いしてもよさそうな時間帯だが通常通りの運転停車となった。
途中、急ぎの客向けに広島から新幹線への振り替え措置が行われるとの放送がされたが、「はやぶさ」の乗車自体が旅の目的のひとつであるためそのまま乗車することに。
柳井到着時点で遅れは3時間を超え、九産大前を通過する際に車掌によるお詫び放送とともに203分遅れという業務連絡が聞こえた。
3時間28分遅れで到着した博多で関門トンネル通過前からの予告どおり「はやぶさ」の運転は打ち切り
20分後に客をすべて降ろした「はやぶさ」は竹下駅構内の博多運転区へ向かった。
電車が高頻度で行き交う鹿児島本線を客車で通るのを楽しみにしていたのだが、残念ながら叶わなかった。
博多で「はやぶさ」から降ろされた後は、振り替え対象である特急「リレーつばめ15号」→九州新幹線「つばめ15号」に乗車し、鹿児島中央駅に到着したのは当初の予定より3時間4分遅れの16時33分。
当初予定で鹿児島中央に到着していたはずの13時29分は、「はやぶさ」の博多到着7分前だった。
この時間ではさすがに予定していた博物館などの見学をパスせざるを得なくなったが、中央駅の桜島口を出ると外は暴風雨。
風雨にさらされながら高見橋まで行ってデジカメで数点撮影したものの、すぐに中央駅へ引き返した。
広島で新幹線に乗り換えて鹿児島に早く着いていたとしてもこれでは行き場がなく、自分としては「はやぶさ」に留まったのは正解であったと思っている。
この日は結局、中央駅併設の「アミュプラザ鹿児島」で夕食とお土産購入を済ませ、予定より早い時間に「JR九州ホテル鹿児島」にチェックインした。

<10日(木曜日)>
この日は風雨も小康状態となったが、鹿児島中央9時27分発の特急「はやとの風2号」に乗車する予定で博物館などの施設に入る時間はないので、鶴丸城跡ザビエル公園などを見てまわった。
鹿児島中央からは「はやとの風2号」→(吉松で乗り換え)「しんぺい2号」→(人吉で乗り換え)「九州横断特急6号」→(新八代で乗り換え)「リレーつばめ12号」と乗り継ぎ、博多から「のぞみ44号」で帰京。
[鹿児島市内]

[鹿児島中央→吉松(はやとの風2号)]
[吉松→人吉(しんぺい2号)]
[人吉・新八代(九州横断特急6号・リレーつばめ12号)]

脚注

「はやぶさ・富士」:かつては全区間単独運転だった寝台特急「はやぶさ」(東京−熊本)と寝台特急「富士」(東京−大分)は、晩年は東京−門司間で併結運転を行っていた。

お詫び放送:列車の到着が大幅に遅れたことのほか、下関駅で昼食を用意するはずができなかったことへのお詫びがされた。また、博多から先に行く人向けに特急への振り替え措置についての説明も行われた。

「はやぶさ」博多打ち切り:博多より先に行くと定期の電車にも影響を与えてしまうのと、折り返しの上り「はやぶさ」が定刻通りに運転できなくなるおそれがあるための措置と思われる。なお、9日の東京行き「はやぶさ」が博多始発となったのかどうかは定かではない。


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